八の助商店について
三陸の小さな漁港・越喜来から とびきりの海の幸と体験を
私たちは、東京生まれ東京育ちで、40代で養殖漁業の世界に飛び込んだ生産者夫婦。2人あわせてその名は八の助商店です。 この一風変わった屋号は、3匹の愛猫のうちの1匹・八の助からもらったもの。八の助商店は、最高顧問がハチワレ猫の八の助、漁船の船長はダジャレと釣りが大好きな岡田薫省(くにあき)、そして船を動かすエンジンであり、錨でもあり、皆さんを漁業体験に誘うガイドを務めますのは岡田真由美です。

海を舞台に ”モノづくり”と”コトづくり”
私たちは、ここ岩手県大船渡市の越喜来(おきらい)で、ホタテ・牡蠣・わかめの養殖と漁業体験プログラムの提供、遊漁船(釣り船)の運営をしています。 私たちが心惹かれ移住した小さな漁村・越喜来で挑戦しているのは、三陸の海をめぐる”モノづくり”と”コトづくり”。自然相手の海の仕事は日々大変なことばかりだけれど、ここで第二の人生をスタートさせた私たちの前に広がるのは、どこまでも続く海と大きな夢。あんなこともしてみたい、こんなこともしてみたい、と夢が広がり続ける毎日です。


旅行会社ひと筋30年の会社員、 海の生産者になる
そんな前ばかり見ている私たちが越喜来に移住し、生産者の修業を始めたのは2020年の春。遡ることその数年前から、一人娘が大学に入ったら父ちゃんと母ちゃんは夫婦二人でやりたいことをやって生きていこう、と話してきました。 父ちゃんはそれまで、大学を卒業してから農協観光という旅行会社ひと筋約30年のサラリーマン。農家さんたちの旅の手配をしたり、旅行プランをつくったり、民泊を始める農家さんのお手伝いをしたり……一次産業の生産者さんのそばで働き、日々畑や農家さんの会合に足を運んできました。

東北での生産者との出会い 釣り好き父ちゃん、養殖の道へ
40代で赴任した東北では、とくに印象深い生産者たちとの出会いがいくつもありました。福島県の桃づくりの名人の畑に行った時のこと。名人から「俺がつくってるのは桃じゃない。つくっているのは木だ」そう言われ、父ちゃんはその言葉にシビレました。 そうか、一次産業はものづくりなんだ。 人の力を越えた大きな自然の中に身を置き、土や空気、種や苗、木の発する声に耳を澄まし、数年先の姿を頭の中に描きながら、手間ひまをかけて育てる。そして、丹精込めて育てたものがお客様に喜ばれる。これこそがものづくりなのだと直感し、なんてかっこいい仕事なんだと心打たれました。 そして、父ちゃんは大の釣り好きでもあります。休みともなれば、釣り竿とクーラーボックスを肩に掛け、海へ、川へ、氷の上でも、どこへでも行きます。時には、渓流釣りの途中で足を滑らし、崖から転がり落ちたこともありました。それでも釣りが大好きで、魚や海の生きものが好きでたまりません。だから、生産者を志すなら、海で生きものを育てる養殖生産者になりたいと考えたのは自然ななりゆきでした。 一方の母ちゃんは、人とは違うことをやってみたい好奇心旺盛な性格。父ちゃんから「会社を辞めて養殖をやりたい」と打ち明けられ、未知なる世界に興味津々で「いいんじゃない」と言いました。海や海産物が好きで、時には家族で釣りにも出かけた楽しい海での思い出も母ちゃんの背中を押しました。 そんな二人は、いよいよ長女が大学に進学すると、東北の海の見える場所で猫との暮らしを実現させるため、移住先と養殖業の修行先探しを始めました。


2泊3日の漁業体験で移住を決意。 今も忘れられないホタテの味
そこで出会ったのが、三陸の南部に位置する大船渡市。養殖わかめ発祥の地と言われる大船渡は、わかめやホタテ、牡蠣の養殖が盛んで、サンマも有名な漁業のまちです。 さっそく漁業の担い手対策を担当する市職員の紹介で、越喜来の漁師さんのもと、2泊3日の漁業体験へ。早朝、漁師さんの船に乗せられて、キラキラと光る海へ出てホタテを水揚げし、その後の朝食に出されたホタテの刺身の味は、今も忘れることができません。 よし、俺たちもこれだけ美味しいホタテを育てる生産者になろう。 決めるが早いか、2020年に移住し、父ちゃんはいわて水産アカデミーという漁師育成プログラムの2期生として、ベテラン漁師の親方のもと、養殖の修業を始めました。母ちゃんは大船渡市の地域おこし協力隊として「水産のまち大船渡」をPRしながら、漁業や地域のことを学んできました。 海水温の上昇によりめまぐるしく変わる海の環境はとても厳しいものですが、日々、海の変化と向き合いながら、私たちを感動させたあの味をお届けするため、ホタテを育て、牡蠣やワカメを育てています。

来て、見て、食べて 大船渡・越喜来へ
越喜来で暮らせば暮らすほど、漁師さんや浜のかあさんたちには本当にたくさんの知恵や技術が蓄えられているのだと感じるようになりました。越喜来の海のことや養殖のこと、ここで営まれている暮らしをもっと多くの人たちに知ってほしい、この土地の魅力に触れてほしいという思いが強くなり、海の仕事を体験するプログラムの提供もスタートさせました。 都会で暮らす人たちや子どもたちが、沖合の養殖施設で初めて生きているホタテを見た時のいきいきとした表情と来たら! その驚いた顔を見るのが楽しくて、漁業体験はすっかり私たち夫婦の生きがいになっています。 私たちは、養殖という“モノづくり”を中心にしながら、体験や釣りを通して海をを知ってもらう“コトづくり”にも取り組むことで、越喜来に新しい人の流れをつくり、生産者や住民が今以上にこの地域に誇りを持てる好循環を生み出したい。これが、私たちの大きな夢のひとつ。ほかにもまだまだたくさんありますが、ここではお伝えしきれません。 生産者としてはまだまだ修行中の私たちではありますが、ほかの土地からやって来て生産者になった2人だからこそ伝えられるこの仕事のおもしろさや地域の魅力があると思います。私たちの忘れられないホタテの味とキラキラと光る三陸の海を体感しに、越喜来に来てみませんか。


八の助商店のご案内SHOP INFO
八の助商店
〒022-0101 岩手県大船渡市三陸町越喜来小泊129-4
越喜来地区 泊漁港内 作業テント
- 販売事業部
- tel 090-6520-1878
- 海業事業部
- tel 080-4511-4670
